ニュースリリース

2015年1月23日

格差研究の気鋭、ピケティによるピケティ入門
『トマ・ピケティの新・資本論』

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2015年1月27日、単行本『トマ・ピケティの新・資本論』(トマ・ピケティ著、村井章子訳 定価2200円+税)を発売します。

■『21世紀の資本』で話題のピケティによる時論集

 本書は、サルトルが創刊した左派系日刊紙リベラシオンにピケティが2004年から2011年まで毎月連載して出版した「ヨーロッパを救えるか?」をベースに、2012年から2014年6月までの最新コラムを加えて再編集した時論集です。「子どもの値段」「相続税の余地」「経済における男性優位」「付加価値税を社会保障に充てるのは誤り」「オバマとルーズベルトの比較」など幅広い問題を取り上げており、ピケティ入門書として格好の内容となっています。フランス大統領オランドや経済危機にもまとまらないEU首脳などへの舌鋒鋭い批判が見どころです。その一部を紹介すると――

  • 「資本主義は所詮、世襲財産で成り立っている」
  • 「金融規制緩和の結果、差引金融収支の世界合計はマイナス。これはあり得ない。タックスヘイブンのせいだ」
  • 「ゲイツと比較すると、ジョブズの財産は6分の1。ゲイツはウィンドウズの上がりで食べている不労所得者」
  • 「ある水準以上になると、投資リターンにより資産は加速的に増大する。この不平等を食い止めるには、国際的な累進資産税を設けるべきだ」

■日本の現状にも言及

 「経済成長はヨーロッパを救えるか?」では、『21世紀の資本』の主要テーマである、資本収益率(r)>経済成長率(g)を取り上げ、「この不等式から、過去に蓄積された富が次第に桁外れの規模に達し、自動的に集中していくことが読み取れる。(中略)アメリカはもちろん、ヨーロッパでも、さらには日本でも、主に人口要因に起因する成長率の低下により、所得に比して富の重みがかつてなく高まっている」と分析しています。

(トマ・ピケティの日本語版への序文より)

本書は、数年にわたってリベラシオン紙に連載していた時評をまとめたものである。この小さな本が日本語に翻訳され、日本の読者がいささかなりとも興味と関心を持っていただけるなら、たいへんうれしい。

ここに収めたテクストは、グローバル金融危機直後からその余波が尾を引く状況の中、またユーロ圏が深刻な信頼の危機に襲われ、デフレと景気後退に直面する中で、社会科学の一研究者が公の議論に参画し、政治や経済にまつわる時事問題を読み解こうとする試みを形にしたものである。

おそらく賢明なる読者は、自国の置かれた状況がヨーロッパといくらか似ていると気づかれることだろう。日本もまた巨額の公的債務を抱えているし、個人資産が急激に増えている点でもヨーロッパと共通する。だから本書は、日本の読者にもなにがしか役に立つと信じる。

本書が日本において有意義な議論を喚起するきっかけになれば、著者としてこれにまさる喜びはない。

■商品情報

書名: 『トマ・ピケティの新・資本論』
著者: トマ・ピケティ
訳者: 村井章子
発売日: 2015年1月27日
定価: 本体2200円+税
ISBN: 978-4-8222-5072-0
発行: 日経BP社
発売: 日経BPマーケティング
判型: 四六判(ハードカバー)・416ページ
日経BP書店: http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P50720.html
楽天ブックス: http://books.rakuten.co.jp/rb/13062642/
アマゾン: http://www.amazon.co.jp/dp/4822250725/

■著者紹介

トマ・ピケティ(THOMAS PIKETTY)
 フランスの経済学者。1971年生まれ。パリ経済学校教授、社会科学高等研究院(EHESS)教授。EHESSとロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で博士号を取得。2013年出版した『LE CAPITAL AU XXIe SIECLE』(邦題は『21世紀の資本』、みすず書房)が世界的なベストセラーとなり、一躍注目される。その所得格差拡大の実証研究は、リーマン・ショック後の世界経済危機で盛り上がった「ウォール街を占拠せよ」運動に大きな影響を与えた。フランス社会党系の理論家でもある。

■訳者紹介

村井章子
 翻訳家。主な訳書にアダム・スミス『道徳感情論』(共訳)、フリードマン『資本主義と自由』、ガルブレイス『大暴落1929』(以上、日経BPクラシックス)、ラインハート&ロゴフ『国家は破綻する』、エセル『怒れ! 憤れ! 』、『コンテナ物語』(以上、日経BP社)、カーネマン『ファスト&スロー』(早川書房)、『リーン・イン』(日本経済新聞出版社)ほか。

■目次

  • 第1部(2005〜2006年) ミルトン・フリードマンに捧ぐ
  • 第2部(2007〜2009年) 公的資金注入合戦
  • 第3部(2010〜2011年) リリアンヌ・ベタンクールは税金を納めているのか?
  • 第4部(2012〜2014年) 経済成長はヨーロッパを救うか

■トマ・ピケティに関する日経BP社の主な記事

【取材に関するお問い合わせ】

 本件についてのお問い合わせは、コーポレート管理室(広報)、電話03-6811-8556にお願いいたします。

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