日経BP社のニュースリリース

 

2008年4月18日


日経BPコンサルティング「ブランド・ジャパン2008」
BtoC編で任天堂が初の1位、DSとWiiも上位へ
BtoB編の1位はトヨタ、Googleやレクサスが上昇


 日経BPコンサルティングは、今年で8年目を迎える日本最大規模のブランド評価調査プロジェクト「ブランド・ジャパン2008」の結果をまとめ、本日(2008年4月18日)調査結果報告書を発行・発売すると同時に、日経ホールで 「ブランド・ジャパンプロジェクト8周年記念セミナー」を開催し、その結果概要を発表する。
 一般消費者とビジネスパーソンへのアンケート調査から延べ1500ブランドを並列に評価した。調査は、2007年11月に実施し、回答者は約5万1000人となった。

BtoC編:任天堂の総合力を押し上げたのは「イノベーティブ(革新性)」因子

 BtoC編の総合力では、任天堂が、2005で第135位、2006で第67位、2007で第7位と毎年着実に順位を上げ、今回の2008で93.4ポイントを獲得し、初のブランド総合力首位となった(図1)。第2位のスタジオジブリに9.1ポイントという大差をつけている。
 また、第2位から第8位までの7ブランドが、約3ポイント差の中にひしめき合うという結果となった。任天堂は、BtoB編でも高ポイントを獲得し、総合力第4位となった。

 BtoC編の任天堂のブランド総合力は、前回と比べた上昇ランキングでもトップとなった。この総合力を今回押し上げたのは、「イノベーティブ」(革新性)の因子である。126.2ポイントという驚異的なスコアで、イノベーティブ・ランキングの第1位になった。任天堂の代表商品である「NINTENDO DS」は、イノベーティブ・ランキングで任天堂本体に続く第2位となり、両ブランドが相互にプラスに作用している様子がうかがえる。
 また、「アウトスタンディング」(卓越性)の順位も、2005で第126位、2006で第100位、2007で第18位と順位を上げ続け、今回の2008では第4位となった。この因子を構成するイメージの中で、「他にはない魅力がある」「際立っ た個性がある」のポイントが、それぞれ前回を大きく上回っている。ブランドの差別性・特異性を表す「アウトスタンディング」のポイントが大幅に伸びたことは、任天堂ブランドが単にブームとして捉えられているだけではなく、将来性や期待感を伴って、ブランド・ポジショニングが鮮明であることを意味し ている。
 企業ブランド力を伸ばすことが、「この商品を出しているこの企業に愛着が湧く、信頼できる、他の商品も試してみたい」というポジティブ・イメージの醸成に一役買うことは間違いない。それが、DSの次に発売した、家族を意識した据置型ゲーム機「Wii」の効率的なブランド・イメージ向上につながっている。

 寡占化・経営統合の進む「百貨店」ブランドについてみると、最近の動きが今回の結果に鮮明に表れている(表1)。
 回答者を東京在住者に限定した総合力では、新宿本店を中心に業績も好調の伊勢丹が75.8ポイントを獲得し、1000ブランド中第31位となった。続く髙島屋のポイントは62.8で、伊勢丹独走の様相を呈している。
 また、大阪在住者に限定した総合力ランキングでは、トップが阪急百貨店で78.8ポイントとなり、全ブランド中第17位となった。続いたのは大丸で66.7ポイントを獲得。大丸は、東京店が11月に移転、増床したことが話題となり、東京在住者の結果でも6.6ポイント上昇した。

BtoB編:「一度この企業で働いてみたい」のトップはGoogle

 2008のBtoB編では、今回もトヨタ自動車がトップを独走し、「総合力」を構成する5つの因子のうち、「先見力」「人材力」「信用力」の3因子のランキングで首位となった。これを本田技研工業、ソニーが追う形になっている。さらに今回は、これに任天堂とGoogleが続く。任天堂は、BtoC編と同様に、高ポイントをマークした。「先見力」で第4位、「活力」で第5位である。

 Googleは、今回はじめてトップ5入りを果たした。Googleの結果をみると、「先見力」で第2位、「人材力」と「活力」で第6位となった。総合力上昇ランキングでもトヨタ自動車に続き第2位である。前回Googleは、BtoC編で第2位となり、生活者からみたサービス・プロバイダとしての、確固たる地位を築いた。
 今回、Googleに対するブランド力の高さは、生活者視点からビジネス・パーソンの視点に移り、トヨタ自動車、キヤノン、パナソニックに並ぶ、地に足の着いた企業としての評価に裏打ちされたと言える。「この企業から学びたい」で第2位、「ビジョンがある」で第3位、「一度この企業で働いてみたい」では、ソニーを抜いて、今回堂々の第1位となった。

 「自動車」分野のランキングでは、トヨタとホンダの強さが際立つが、今回BtoB編で、レクサスがポイントを上昇させている(図2)。
 レクサスは、前回の総合力49.5ポイントから今回61.8ポイントとなり、総合力ランキングで第47位。上昇ランキングでは第4位となった。また、回答者を男性に絞り込むと、総合力ランキングで第27位となる。前回から今回にかけ て、「品質・技術がすぐれている」「顧客を大切にしている」「日本を代表している」などのイメージが向上しており、総合力ランキングの上昇を牽引した。
 自由意見では、「高級」という言葉を使ったポジティブ・コメントの比率が、前回の11.6%から今回19.3%に上昇している。日本で販売を始めた2005年以来、レクサスがターゲットにしている層へのイメージ訴求が少しずつ実を結 んでいることを示している。

(吉田健一=日経BPコンサルティング ブランド・ジャパン プロジェクト・リーダー)


図1■任天堂、NINTENDO DS、Wiiのブランド総合力構成(BtoC編)


表1■主な百貨店・デパートのランキング(BtoC編:東京在住者に限定した集計の結果)


図2■レクサスの前回と今回のブランド総合力構成(BtoB編)




■調査手法

●調査の方針と構成

ブランド・ジャパン2008では、経年比較を可能にして、継続的データ価値を保つために、毎年同じフレームを採用している。すなわち、本調査は、「コンシューマー市場(BtoC)編」と、「ビジネス市場(BtoB)編」の2つの調査で構成する。またランキングを計算する質問項目も、個々のブランドについて尋ねる主要な設問は例年と同じものを用い、さらに総合力を算出する際の基本的な計算方法も、例年と同様の手順で行っている。なお、有意抽出であるインターネット調査の結果を補正するために、傾向スコア重み付け法を施した。

コンシューマー市場(BtoC)編:
消費者に対して、消費行動上のブランドのポジショニングを明らかにする設問への回答を求めた。調査対象ブランドは、企業ブランド(企業名・グループ名)と製品・サービスブランド、合計1000ブランド。

ビジネス市場(BtoB)編:
有職者に対して、ビジネスパーソンとしての立場からブランドのポジショニングを明らかにする設問への回答を求めた。調査対象ブランドは企業ブランドのみ500ブランド。

●調査概要

調査名称:
ブランド・ジャパン2008

調査目的:
日本の市場で使用されている主要なブランドについて、ブランド力とそれぞれの特徴を明らかにする。このデータを企業のブランディング活動で活用できる形で提供する一方、市場内外のどのような事柄がブランド力に影響を与えているかなどの基礎研究に資する。

調査機関:
日経BPコンサルティング ブランド・センター

調査方法:





■企画委員会のご紹介

正確な集計・分析を行うために、ブランド理論、マーケティング、統計学の第一線で活躍している諸氏によるブランド・ジャパン企画委員会を設置。公正で高度な調査結果を目指し、調査手法や分析について随時委員会を招集し協議を重ねてきた。

●ブランド・ジャパン特別顧問

カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院名誉教授
プロフェット社副会長
デービッド・A・アーカー氏

ブランド論の第一人者として知られ、「ブランド・エクイティ戦略」「ブランド・ポートフォリオ戦略」(日本語版はダイヤモンド社刊)などの著書や論文を多数送り出している。電通顧問。また、ブランド・ジャパンには、第1回から特別顧問として参加している。

●ブランド・ジャパン企画委員会

企画委員長
丸の内ブランドフォーラム代表
片平秀貴氏

2004年3月まで東京大学大学院経済学研究科教授。その他、米国ペンシルバニア大学ウォートン・スクール客員教授、カリフォルニア大学バークレー校客員教授、ストックホルム・スクール・オブ・エコノミクス客員教授等を務める。主な著書に「新版パワー・ブランドの本質」(ダイヤモンド社)、「超顧客主義:顧客を越える経営者に学ぶ」(東洋経済新報社:共著)などがある。

企画委員
早稲田大学 文学部教授
豊田秀樹氏

心理統計学、教育測定学、マーケティング・サイエンス、統計学のエキスパートとして「ブランド・ジャパン 2002」から結果分析を担当。著書に「SASによる共分散構造分析」(東京大学出版会)、「金鉱を掘り当てる統計学」(講談社)、「購買心理を読み解く統計学」(東京図書)などがある。

企画委員
慶應義塾大学 総合政策学部教授
桑原武夫氏

コロンビア大学ビジネススクール客員研究員を務める。ポストモダンマーケティングの旗手モリス・B・ホルブルック教授と共同研究を行う。 著書に「ポストモダン手法による消費者心理の解読」(日本経済新聞社:共著)などがある。

企画委員
一橋大学大学院 国際企業戦略研究科准教授
阿久津聡氏

カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院にて博士号(Ph.D)を取得。消費者心理学をベースにしたブランド理論の構築と実践を行っている。最近の著書に「ブランド戦略シナリオ」(ダイヤモンド社:共著)などがある。

企画委員
立命館大学 経営学部 環境デザインインスティテュート教授
西川英彦氏

神戸大学大学院博士号(商学)。マーケティングを専門とし、新製品開発、ビジネス・システムからインターネット・マーケティング、とりわけ、ネット・コミュニティにおける製品開発や消費者行動をテーマに研究を行なっている。 最近の著書に「仮想経験のデザイン」(有斐閣:共著)などがある。


ブランド・ジャパン:
国内で使用されているブランドを消費者とビジネスパーソンが評価する、日本最大規模のブランド評価プロジェクト。2001年に第1回調査を実施し、今回が8回目。調査は、消費者としての立場から回答を求める「コンシューマー市場(BtoC)編」(調査対象ブランド1000件)と、ビジネスパーソンとしての立場から回答を求める「ビジネス市場(BtoB)編」(同500件)とから成る。調査概要は、「調査手法」と「企画委員会のご紹介」を参照。

日経BPコンサルティング:
日経BP社の研究・調査部門を分社独立した、日経BP社全額出資の「技術と経営に関するコンサルティング・調査会社」。2002年3月1日設立。資本金9000万円(日経BP社100%出資)。技術と経営に関する調査、研究、コンサルティング、関連する情報・刊行物の出版と関連商品の販売を行っている。

《このリリースに関するお問い合わせ先》
日経BPコンサルティング
ブランド・センター アナリスト 吉田健一
E-mail consult@nikkeibp.co.jp (Tel.03-6811-8310 Fax.03-5421-9176)
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