日経BP環境経営フォーラムは、今年で10回目を迎えた「環境ブランド調査」の結果をまとめた。この調査は、主要企業560社を対象に、各企業の環境に関する活動が一般の消費者にどう伝わっているかについて、インターネットを利用してアンケート調査し、結果を集計・分析するもの。今回は、2009年3月23日〜4月28日にアンケート調査を実施し、全国の消費者2万1742人から有効回答を得た。
本調査の主要指標である環境ブランド指数(偏差値で表記)が最も高かったのはトヨタ自動車。調査を開始した2000年から10年連続の首位を守った。ただし、環境ブランド指数は前回の105.2から100.3へと低下した。
トヨタの強みは燃費性能に優れるエコカーの代表格である「プリウス」。認知度の高いハイブリッドカーのなかでも、象徴とも言えるプリウスへの注目度は相変わらず高い。その新型車の投入などについて頻繁にメディアで報じられたこともあり、消費者からの高い評価を保ち続けている。
同様にハイブリッドカー「インサイト」が大きな話題となったホンダは、環境ブランド指数を前回の84.3から87.4へと伸ばしている。順位も前回の5位から4位へと上昇した。
環境ブランド指数を前回の83.6から91.3へと大きく伸ばし注目されるのが、2位のパナソニック。順位も前回の6位からジャンプアップした。同社は、昨年10月の社名変更とブランド統一に合わせて、それを広く認知・浸透させるための大々的な広報宣伝活動を展開してきた。その際に、省エネ家電などの具体的な商品を使って環境への取り組みを強く訴求したことが、今回の躍進に大きく寄与したものと考えられる。
トップ10社の顔ぶれは、太陽光発電や燃料電池などエネルギー関連の新規事業を積極的に推進する新日本石油が前回の18位から10位タイに食い込んだ以外は、まったく変わっていない。各社とも、環境への取り組みをアピールするうえで象徴となるようなハイブリッドカーや省エネ家電、太陽光発電といった具体的な商品・サービスを提供し、それを広報宣伝や店頭など消費者との接点で、多面的、積極的に伝えているという点で共通している。
本調査独自の指標である「環境ブランド指数」は、企業ごとに「環境評価」「環境イメージ」「環境情報への接触度合い」などについて尋ねた結果を総合し、順位付けしたもの。その基になる指標の一つ「環境イメージ指標」に関しては、各企業に当てはまる具体的なイメージについて尋ねている。
プラスイメージの「地球温暖化防止や省エネに努めている」では、首位のトヨタ自動車に続き、ホンダがスコアを大幅に伸ばして2位に入った。半面、相対するマイナスイメージである「地球温暖化を進めたり、エネルギーを無駄遣いしたりしている」でも、トヨタ自動車は3位、ホンダは7位に入っている。
マイナスイメージは、業種や業態に対するイメージが、特に業界の大手に反映される傾向が高い。一方で、マイナス面を改善する努力が伝わると、対照となるプラスイメージの評価が高まり、高い総合評価を獲得する企業も多い。ハイブリッドカーをはじめとするエコカーで高い評価を得ている企業が、プラスイメージの上位に入っている自動車業界が、その典型的な例である。
同様に、マイナスイメージの「効率的な資源利用や廃棄物の量・処理法などに課題がある」が首位でありながら、対照となるプラスイメージの「省資源やリサイクル、廃棄物削減に努めている」で2位に入っている日本マクドナルドも、マイナス面を改善してプラスイメージを高めている代表的な例と言える。
一方、「省資源やリサイクル、廃棄物削減に努めている」で首位のイオン、「生物多様性や動植物資源の保全、自然保護に努めている」のサントリーなど、プラスイメージだけ上位に入っている企業もある。イオンの買い物袋持参運動、サントリーの水源となる森林の保全といった持続的な活動が、高く評価されているものと考えられる。
【ご参考】
日経BP環境経営フォーラム
日経BP社が、地球環境の保全と企業経営の持続的発展を支援する目的で、2000年に設立した。現在、174社(5月末時点)の協賛企業・自治体と共同で、環境経営に関する研究や調査などの活動に取り組んでいる。
※日経BP環境経営フォーラムのホームページ http://emf.nikkeibp.co.jp/
【お問い合わせ先】
本調査に関するお問い合わせは、日経BP環境経営フォーラム事務局 電話03-6811-8803にお願いいたします。
広報に関するお問い合わせは、コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。
【参考資料】
■環境ブランド指数ランキング上位30社
| 順位 | 前年 | 企業名 | スコア(偏差値) |
| 1 | (1) | トヨタ自動車 | 100.3 |
| 2 | (6) | パナソニック | 91.3 |
| 3 | (2) | サントリー | 89.5 |
| 4 | (5) | ホンダ | 87.4 |
| 5 | (7) | イオン | 86.6 |
| 6 | (8) | シャープ | 85.9 |
| 7 | (4) | 日産自動車 | 82.1 |
| 8 | (3) | キリンビール | 81.9 |
| 9 | (10) | アサヒビール | 81.0 |
| 10 | (9) | サッポロビール | 78.0 |
| (18) | 新日本石油 | 78.0 | |
| 12 | (29) | 三洋電機 | 75.5 |
| (11) | パナソニック電工 | 75.5 | |
| 14 | (21) | 東芝 | 75.1 |
| 15 | (22) | アサヒ飲料 | 74.8 |
| 16 | (12) | 東京電力 | 74.4 |
| 17 | (15) | 日本マクドナルド | 72.9 |
| 18 | (17) | コスモ石油 | 71.8 |
| (16) | ソニー | 71.8 | |
| (19) | 三菱電機 | 71.8 | |
| 21 | (13) | キリンビバレッジ | 71.5 |
| 22 | (40) | 積水ハウス | 71.1 |
| (27) | 日立製作所 | 71.1 | |
| 24 | (27) | ヤマト運輸 | 70.2 |
| 25 | (45) | ライオン | 69.8 |
| 26 | (60) | 富士通 | 69.7 |
| 27 | (51) | ローソン | 69.6 |
| 28 | (20) | 花王 | 69.0 |
| (26) | 日清食品 | 69.0 | |
| 30 | (14) | 日本たばこ産業 | 68.6 |
企業ブランドの形成に強く影響する四つの指標を総合した「環境ブランド指数」を主要指標とする。ベースになる四つの指標とは、回答者が当該企業の環境情報に触れた度合いである「環境情報接触度」、環境報告書や各種メディアなど環境情報の入手先を集計した「環境コミュニケーション指標」、環境面で当てはまると思われるイメージ(15項目)について集計した「環境イメージ指標」、環境活動への評価度合いを集計した「環境評価指標」スコアは偏差値(平均50)で表記し、全体のなかでの位置が分かるようにした
■プラスイメージ5項目 上位10社 |
■マイナスイメージ5項目 上位10社 |
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地球温暖化防止や省エネに努めている
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地球温暖化を進めたりエネルギーを無駄遣いしたりしている
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省資源やリサイクル、廃棄物削減に努めている
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効率的な資源利用や廃棄物の量・処理法などに課題がある
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有害物質の使用削減や排出抑制に努めている
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有害物質を使用したり大気・水・土壌などを汚染したりしている
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生物多様性や動植物資源の保全、自然保護に努めている
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生物多様性や動植物資源の減少、自然破壊を進めている
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消費者や地域住民、NPOなどとの連携や協力に努めている
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消費者や地域住民、NPOなどとの連携や協力に消極的である
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[集計方法] 「この企業の環境活動についてどう思うか」と尋ね、以上のイメージから当てはまると思うものを複数回答可能の条件で選んでもらった。スコアは回答者が各イメージを選んだ比率(%)