ニュースリリース

2011年7月28日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
原発の事故調査
技術者の74.3%は「政府任命ではない組織が必要」

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2011年7月28日、「事故調査の在り方」に関して、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査し、その結果を発表しました。東日本大震災の原発事故に関して政府が2011年5月に創設した事故調査委員会(正式名:東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会)については、調査対象に政府が含まれているにもかかわらず、委員を政府が決めたことで議論を呼んでいます。このことについて技術者の74.3%が「政府任命ではない組織が必要」と考えていることが分かりました。さらに、同委員会には原発の専門技術者が参加していませんが、「原子力発電の専門家は必要」と考える回答が87.7%に及びました。事故調査に客観性と専門性を求める意識が強いと考えられます。

 一方で、製造業における製品事故などの調査に関して私企業で実施する場合に「自社の調査に社外の人を招いたことはあるか」と聞いたところ、「ある」との回答は33.8%にとどまりました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』「事故調査の在り方」を調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2011年6月30日〜7月6日に実施しました。その結果下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「どの組織が原発事故を調査すべきか」と聞いたところ「原子力発電所の事故調査に『政府任命ではない組織が必要』」とする回答が74.3%あったのに対し、「政府任命の委員会だけで進めるべき」との回答は11.8%にとどまった (図1)
  • 「原発の事故調査に専門家は必要か」との問いに対し、「絶対に必要」「いた方が望ましい」の合計が87.7%だった。「いない方が望ましい」「絶対に不要」の合計は9.4%だった (図2)。必要な理由は、「調査の正確性が高まる」「詳細な調査が可能になる」など。
  • 製品事故などについて、私企業の立場での事故調査についての質問では、「調査のために社外の人を招いたことがある」との回答は33.8%で、「ない」の44.6%を下回った (図3) 。調査体制については、品質管理部門が中心になるとの回答が最も多かった(48.1%)。
  • 私企業の事故調査に社外の人を招かない理由は、多い順に「必然性がないから」(41.5%)「機密保持が難しいから」(34.4%)「費用が掛かるから」(27.1%)「頼める人が見当たらないから」(26.8%)などだった (図4)

図1 どの組織が原発事故を調査すべきか

図1 どの組織が原発事故を調査すべきか

図2 原発の事故調査に専門家は必要か

図2 原発の事故調査に専門家は必要か

図3 自社の調査に社外の人を招いたことはあるか

図3 自社の調査に社外の人を招いたことはあるか

図4 社外の人を招かない理由

図4 社外の人を招かない理由

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「製造現場における派遣の実態」「製造業におけるノウハウの伝承」「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」「円高が生産や調達に及ぼす影響」「グローバル化の障壁」「震災の影響と復興への動き」など、これまでに約70のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、763の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり8月号(8月1日発行)に掲載しています。次回のテーマは「技術者のコスト意識」の予定です。

日経BP社について

 日経BP社は、技術と経営と生活の先端情報を多様なメディアを駆使して提供する出版社(コンテンツ・プロバイダー)です。経済を中心とする情報を国内外に発信する日本経済新聞グループの一員として1969年4月に設立されました。日経BP社と日経BPグループが展開している事業は、雑誌、書籍・ムックなどの出版をはじめ、インターネット、展示会、調査・コンサルティング、教育・セミナーなど多岐にわたっています。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材をもとに、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

【お問い合わせ先】

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社 日経ものづくり編集部 電話03-6811-8131にお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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