ニュースリリース

2011年11月29日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
タイの洪水による日本の製造業への被害、
「日本でカバー」が3割以上

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2011年11月29日、「タイの洪水被害と日本の製造業への影響」に関して、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査し、その結果を発表しました。勤務先がタイの洪水被害によって影響を受けたとする回答(全体の75.7%)について、その影響を緩和するために「日本で代替生産」「日本で代替調達」をしたとの回答が3割以上に及びました。これに対し、「ASEANで代替生産」「ASEANで代替調達」はそれぞれ2割弱にとどまりました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「タイの洪水被害と日本の製造業への影響」について調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2011年10月28日〜11月4日に実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、産業用機器メーカーなどです。調査の結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「あなたの会社は、タイの洪水被害による影響を受けているか」との設問に対し、「受けている」との回答は75.7%に及んだ。「受けている」との回答者に限って「影響緩和のためにあなたの会社が実施した対応策は何か」を聞いたところ、「日本にある取引先から材料・部品を調達する」が34.1%、「日本にある工場で代替生産をする」が31.1%で上位を占めた。「タイ以外のASEAN 諸国にある取引先から材料・部品を調達する」「タイ以外のASEAN 諸国にある工場で代替生産をする」はそれぞれ19.9%だった (図1)
  • 「影響を受けている」とした回答者に「被災した工場や事務所を復旧させるまでに何に最も多くの時間を要すると思うか」と聞いたところ、「金型や設備などの修理・調達」が67.7%と、他の選択肢より極めて多くの回答があった(図2)
  • 「やっておけば良かったのに、と思うことは何か」を全回答者に聞いたところ、最も多かった回答が「過去の洪水による被害などの調査をもっとやっておくべきだった」の47.7%。「洪水が深刻化する前に、金型や生産設備などを高い場所などに移動しておくべきだった」との回答は29.3%にとどまり、前問(図2)の回答と対照的だった (図3)
  • 「あなたの会社では、タイで発生し得る洪水をどの程度だと認識していたか」と全回答者に聞いたところ、35.9%が「特に認識していなかった」と回答。「50年に1度程度、大規模な洪水があることは認識していた」は5.8%にとどまった (図4)

図1 影響緩和のためにあなたの会社が実施した対応策は何か(複数回答)

図1 影響緩和のためにあなたの会社が実施した対応策は何か(複数回答)

図2 被災した工場や事務所を復旧させるまでに何に最も多くの時間を要すると思うか(単一回答)

図2 被災した工場や事務所を復旧されるまでに何に最も多くの時間を要すると思うか(単一回答)

図3 影響を受けたメーカーが「やっておけば良かったのに」と思うことは何か(複数回答)

図3 影響を受けたメーカーが「やっておけば良かったのに」と思うことは何か(複数回答)

図4 あなたの会社では、タイで発生し得る洪水をどの程度だと認識していたか(単一回答)

図4 あなたの会社では、タイで発生し得る洪水をどの程度だと認識していたか(単一回答)

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「製造現場における派遣の実態」「製造業におけるノウハウの伝承」「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」「円高が生産や調達に及ぼす影響」「グローバル化の障壁」「震災の影響と復興への動き」「日本の生産技術」など、これまでに約80のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、482の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり12月号(12月1日発行)に掲載する予定です。次回のテーマは「環太平洋経済連携協定(TPP)の影響」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材をもとに、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

【お問い合わせ先】

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社 日経ものづくり編集部 電話03-6811-8131にお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

▲このページのトップヘ

  • お問い合わせ
  • 日経BP社会社案内PDF版
  • 採用情報