ニュースリリース

2012年4月26日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
経営危機に陥った“国策”会社への国の支援
67.7%が肯定的

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2012年4月26日、「製造業に対する国の支援」に関して、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査し、その結果を発表しました。国のエルピーダメモリへの関与や、金型メーカーの富士テクニカと宮津製作所の合併を主導したことなどを踏まえて「経営危機に陥った企業の支援に国はどこまで関与すべきか」聞いたところ、「積極的に関与した方がよい」「関与するのはやむを得ない」との回答の合計が67.7%でした。事業環境が厳しさを増す中で、製造業には国の役割への期待が少なからず存在しています。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「製造業に対する国の支援」について調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2012年3月29日〜4月4日に実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、産業用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー総合電機・家電メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「経営危機に陥った企業の支援に国はどこまで関与すべきか」と聞いたところ、51.3%が「関与するのはやむを得ない」と回答。「積極的に関与した方がよい」(16.4%)との合計で、肯定的にとらえる回答者は67.7%に達した。「関与するのは望ましくない」(25.6%)、「一切関与すべきではない」(5.4%)を合わせた否定的回答は31.0%だった(図1)
  • 上記の問いで肯定的な回答をした人に対して「国が特定の企業に公的資金投入などの積極的な支援をする際の条件」を聞いたところ、最も多かったのは「国にとって重要な技術や製品を手掛けている」(79.9%)で、以下「経営が破綻すると他の産業への悪影響が大きい」(57.9%)、「雇用の維持/増加が見込める」(46.5%)といった回答が続いた(図2)
  • 一方、否定的な回答をした人には、「国が特定の企業の支援に関与しない方がよい理由」を質問。「公平性に欠ける」(63.5%)との回答が最も多く、「本当に必要なら民間が支援する」(50.8%)も半数以上の回答を集めた。「その他」(13.8%)の自由回答では、国の経営能力に対する疑念、支援決定に至るプロセスの不透明さ、支援の対象として中小企業よりも大企業が優遇されがちな現状などを指摘する声が見られた(図3)
  • 日本の製造業が直面していると自動車業界などで指摘される「6重苦」([1]円高、[2]高い法人税、[3]自由貿易協定への対応の遅れ、[4]製造業派遣の禁止、[5]温室効果ガスの削減目標〔2020年までに25%削減〕、[6]東日本大震災に伴う電力不足)のうち、「国が最も優先して対応すべき問題は何か」を聞いた。最も回答が多かったのは「円高」(38.7%)で、以下「電力不足」(19.3%)、「法人税」(16. 4%)、「自由貿易協定」(13.9%)、「製造業派遣」(3.6%)、「温室効果ガス削減目標」(2.1%)の順だった。(図4)

図1 経営危機に陥った企業の支援に国はどこまで関与すべきか(単一回答)

図1 経営危機に陥った企業の支援に国はどこまで関与すべきか(単一回答)(単一回答)

図2 国が特定の企業に公的資金投入などの積極的な支援をする際の条件(複数回答)

国が特定の企業に公的資金投入などの積極的な支援をする際の条件(複数回答)

図3 国が特定の企業の支援に関与しない方がよい理由(複数回答)

図3 国が特定の企業の支援に関与しない方がよい理由(複数回答)

図4 国が最も優先して対応すべき問題は何か(単一回答)

国が最も優先して対応すべき問題は何か(単一回答)

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「製造現場における派遣の実態」「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」「円高が生産や調達に及ぼす影響」「グローバル化の障壁」「震災の影響と復興への動き」「日本の生産技術」「環太平洋経済連携協定(TPP)の影響」など、これまでに約80のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、610の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり5月号(5月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「グローバル人材」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材をもとに、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

【お問い合わせ先】

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社 日経ものづくり編集部 電話03-6811-8131にお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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