ニュースリリース

2012年6月28日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
技術情報流出の防止84.7%が「取り組み不十分」

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2012年6月28日、「技術情報の流出」に関して、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査し、その結果を発表しました。企業からの技術流出に関して、それを防止するための取り組みの状況を聞いたところ、全体の84.7%が「不十分」と回答。企業と技術者との間で、技術情報の取り扱いや退職後の守秘義務についての契約を結ぶなどの施策はあっても、実際の流出防止には決め手を欠くとの認識の広がりが明らかになりました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「技術情報の流出」について調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2012年5月31日〜6月6日に実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、産業用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、総合電機・家電メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「日本メーカーにおける、技術情報の流出を防ぐための現状の取り組みについてどう思うか」と聞いたところ、「やや不十分な取り組みだと思う」(28.4%)と「かなり不十分な取り組みだと思う」(56.3%)を合わせて、84.7%が「不十分」と認識している回答だった。さらに「全く取り組まれていない」が10.7 %ある半面、「十分な取り組みだと思う」は2.1%にとどまった(図1)
  • 実際問題として「あなたの会社で、技術情報の流出を伴うトラブルが発生したことがあるか」と聞いたところ「明らかにあった」は13.2%に加えて、「疑い例」に相当する「恐らくあった」(28.2%)も合わせると、41.4%の回答者が経験していた(図2)
  • 「あなたの会社では、技術情報の流出を防止するような具体的な取り組みを行っているか」との設問に対して何らかの取り組みがあると回答した73.2%の回答者に、さらに「技術情報の流出を防止する取り組みとは、どのようなものか」を聞いた。「退職後の守秘義務を課している」(52.6%)、「技術情報の取り扱いについて契約を結んでいる」(47.4%)と、契約などで技術者の行動を縛る方法が回答の上位に来た。(図3)
  • 退職後の技術者が新興国へ赴くことが技術流出の要因の一つとして考えられることを背景に、「定年退職後、自分が持つ知識や技能をどのように生かしたいと考えるか」を聞いたところ、「よりよい待遇を得られるのであれば、どこの企業でもいいから生かしたい」が37.9%、「待遇に関係なく、どこの企業でもいいから生かしたい」が28.9%と、出身企業で働き続けられない場合でも自分の知識や技能を生かしたいとする回答者が合計で3分の2を上回った(図4)

図1 日本メーカーにおける、技術情報の流出を防ぐための現状の取り組みについてどう思うか(単一回答)

図1 日本メーカーにおける、技術情報の流出を防ぐための現状の取り組みについてどう思うか(単一回答)

図2 あなたの会社で、技術情報の流出を伴うトラブルが発生したことがあるか(単一回答)

図2 あなたの会社で、技術情報の流出を伴うトラブルが発生したことがあるか(単一回答)

図3 技術情報の流出を防止する取り組みとは、どのようなものか(複数回答)

図3 技術情報の流出を防止する取り組みとは、どのようなものか(複数回答)

図4 定年退職後、自分が持つ知識や技能をどのように生かしたいと考えるか(単一回答)

図4 定年退職後、自分が持つ知識や技能をどのように生かしたいと考えるか(単一回答)

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「製造現場における派遣の実態」「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」「円高が生産や調達に及ぼす影響」「グローバル化の障壁」「震災の影響と復興への動き」「日本の生産技術」「環太平洋経済連携協定(TPP)の影響」など、これまでに約80のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、522の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり7月号(7月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「海外メーカー製の材料・素材の採用」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材をもとに、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

【お問い合わせ先】
 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社 日経ものづくり編集部 電話03-6811-8131にお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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