ニュースリリース

2012年8月30日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
日本メーカーの競争力低下、さらに進行か
約4割が「新興国の競合メーカーに5年後負ける」

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2012年8月30日、「新興国メーカーの競争力」に関して、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査し、その結果を発表しました。「新興国メーカーに対して自社の競合状況はどうか」と聞いたところ、現在は優位性を保っているとの回答が多かったものの、5年後にもその優位性を保てるとする回答は大きく減少しました。新興国メーカーとの競争を悲観的に見ている技術者が多いことが分かりました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「新興国メーカーの競争力」について調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2012年7月31日〜8月8日に実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、産業用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、総合電機・家電メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「現在、競合する新興国メーカーに対して、回答者が所属する会社の競争状況はどうなっているか」と聞いたところ、「優位にある」との回答が44.5%、「劣位にある」は27.0%だった(図1)
  • しかし、「5年後、競合する新興国メーカーに対して、回答者が所属する会社の競争状況はどうなっていると思うか」との質問に対しては、逆に「劣位にある」が40.4%と増加し、「優位にある」は22.9%に減少した。(図2)
  • 「競合する新興国メーカーよりも、回答者が所属する会社の方が優れている点は何か」を聞いたところ、最も多かった回答は「信頼性・耐久性」(75.6%)で、次に「高機能化・多機能化」(53.0%)が続く。「価格競争力」を挙げる回答は7.0%と非常に少なかった(図3)。別の設問で「新興国メーカーの方が優れているところ」を聞くと、最も多かったのは「価格競争力」だった。
  • 回答者が所属する企業に限らず、日本メーカー全体について「新興国メーカーに対し、今後、日本メーカーが競争優位に立てる可能性が高いと思う施策は何か」との考えを聞いたところ、突出して多かったのは「経営の意志決定を迅速化する」(55.7%)という回答だった。続いて、「部品・材料や設備などの現地調達率を引き上げる」(37.6%)、「現地のニーズに詳しい人材を育成または採用し、商品企画に関して大幅に権限を委譲する」(36.2%)、「現地において人材を積極的に採用する」(27.9%)、「製品設計の現地化を進める」(25.1%)と、現地化の推進を意識した回答が上位になった(図4)

図1 現在、競合する新興国メーカーに対して、所属する会社の競争状況はどうなっているか(単一回答)

図1 現在、競合する新興国メーカーに対して、所属する会社の競争状況はどうなっているか(単一回答)

図2  5年後、競合する新興国メーカーに対して、所属する会社の競争状況はどうなっていると思うか(単一回答)

図2  5年後、競合する新興国メーカーに対して、所属する会社の競争状況はどうなっていると思うか(単一回答)

図3 競合する新興国メーカーよりも、所属する会社の方が優れている点は何か(複数回答)

図3 競合する新興国メーカーよりも、所属する会社の方が優れている点は何か(複数回答)

図4 新興国メーカーに対し、今後、日本メーカーが競争優位に立てる可能性が高いと思う施策は何か(複数回答)

図4 新興国メーカーに対し、今後、日本メーカーが競争優位に立てる可能性が高いと思う施策は何か(複数回答)

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「製造現場における派遣の実態」「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」「円高が生産や調達に及ぼす影響」「震災の影響と復興への動き」「日本の生産技術」「環太平洋経済連携協定(TPP)の影響」「技術情報の流出」など、これまでに約80のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、359の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり9月号(9月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「研究開発におけるカイゼン」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材をもとに、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

お問い合わせ先

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社 日経ものづくり編集部 電話03-6811-8131にお願いいたします。取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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