ニュースリリース

2012年9月27日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
短期間で成果を求められる研究開発部門
しかし61.5%が「現場は人手不足」

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2012年9月27日、「研究開発部門のカイゼン」に関して、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査し、その結果を発表しました。研究開発の対象がどのくらい先の製品(サービス)化を見込む技術かを聞いたところ、最も多かったのが「1〜3年先」(54.2%)と、比較的短期での成果を求められていることを示す回答でした。一方で「勤務先の研究開発部門で現在直面している課題」を聞く設問では、61.5%が「社内人材が足りない」と回答しました。少ない陣容で短期間に結果を迫られている研究開発部門の状況が垣間見える結果になりました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「研究開発部門のカイゼン」について調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2012年8月30日〜9月5日に実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、産業用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、総合電機・家電メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • どのくらい先に製品(サービス)化する技術に対して研究開発投資をしているかを聞くため、「今すぐ」「1〜3年先」「4〜9年先」などの選択肢から複数回答で選んでもらったところ、最も多かったのが「1〜3年先」の54.2%、次いで4〜9年先が44.8%、「今すぐ」が30.4%だった(図1)
  • 研究開発への投資金額が「増えている」とした回答者(全体の30.9%)に対して、その背景に何があるかを聞いたところ、最も多かったのは「現在の事業への危機感」(54.2%)だった。「業界衰退による新規事業立ち上げの必要性」も41.5%と多く、多くの企業が何らかの事業転換を図ろうとしていると考えられる(図2)
  • 「勤務先の研究開発部門で現在、直面している課題」を聞いたところ、最も多かったのは「社内人材が足りない」(61.5%)で、次に多かったのは「何を開発すれば売れるのかが分からない」(35.3%)だった。人手不足な上にアイデアもない、と現場は感じていることが分かった(図3)
  • 現状の課題を解決するためのカイゼンに取り組むとしたら、何をすべきだと思うかを質問したところ、最も多かったのが「部署内の人材の能力開発に取り組む」(57.1%)、続いて「部署内の人材の知恵やノウハウを見える化して共有する」と、ともに人材の強化策だった。3位は「市場ニーズの調査を強化して製品化の確率を高める」と、アイデアについてのものだった(図4)。結局、カイゼンに近道はないようだ。

図1 勤務先の研究開発部門で、割合として投資を増やそうとしている技術は次のうちどれか(複数回答)

図1 勤務先の研究開発部門で、割合として投資を増やそうとしている技術は次のうちどれか(複数回答)

図2  投資金額が増えている背景にあるのは何だと思うか(別設問で「研究開発への投資が増えている」とした回答者に質問、複数回答)

図2  投資金額が増えている背景にあるのは何だと思うか(別設問で「研究開発への投資が増えている」とした回答者に質問、複数回答)

図3 勤務先の研究開発部門で現在、直面している課題は次のうちどれか(複数回答)

図3 勤務先の研究開発部門で現在、直面している課題は次のうちどれか(複数回答)

図4 勤務先の研究開発部門でカイゼンを実施するとしたら、次のうちどれをすべきだと思うか(複数回答)

図4 勤務先の研究開発部門でカイゼンを実施するとしたら、次のうちどれをすべきだと思うか(複数回答)

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「製造現場における派遣の実態」「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」「円高が生産や調達に及ぼす影響」「震災の影響と復興への動き」「日本の生産技術」「環太平洋経済連携協定(TPP)の影響」「技術情報の流出」など、これまでに約80のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」と「Tech-On!通信」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、382の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり10月号(10月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「尖閣問題が製造業の海外拠点立地に及ぼす影響」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材をもとに、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

お問い合わせ先

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社 日経ものづくり編集部 電話03-6811-8131にお願いいたします。取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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