ニュースリリース

2013年2月26日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
73.8%が製品不具合の原因調査は「難しくなっている」

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2013年2月26日、「複数の企業が関わる製品不具合の原因調査」に関して、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査を実施し、その結果を発表しました。最近では、最終製品メーカーやユニット/部品メーカーなど複数の関係者が関わる製品が増えています。そうした製品に不具合が発生したときの原因調査について尋ねたところ、回答者の73.8%が「難しくなっている」と回答しました。その背景には、「製品の複雑化」(72.3%)や「市場や取引先のグローバル化」(46.3%)、「コスト削減・効率化要求の高まり」(39.4%)」といった、ものづくりを取り巻く環境変化があります。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「複数の企業が関わる製品不具合の原因調査」について調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2013年1月30日〜2月5日にかけて実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、産業用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、総合電機・家電メーカー、精密・事務用機器メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「最終製品メーカーやユニット/部品メーカーなど複数の関係者が関わる製品不具合の原因調査は難しくなっているか」を聞いたところ、「非常に難しくなっている」は31.6%、「やや難しくなっている」は42.2%と、両回答を合わせた「難しくなっている」は73.8%に達した(図1)。「Boeing787」の事故原因究明が難航している例からも分かるように、複数の関係者が関わる製品不具合の原因調査は難しくなる傾向にあるようだ。
  • 「製品不具合の原因調査が難しくなっている理由は何か」と尋ねると、「製品の複雑化」(72.3%)、「市場や取引先のグローバル化」(46.3%)、「コスト削減・効率化要求の高まり」(39.4%)」、「製品の電子化」(39.0%)などが上位を占めた(図2)。背景には、ものづくりを取り巻く環境の変化があることがうかがえる。
  • 「不具合の原因調査を理由に、取引先から機密情報を要求されたか」を聞いてみると、「よくある」「しばしばある」「たまにある」という三つの回答を合わせた「取引先から機密情報を要求された」割合は、最終製品メーカー(62.7%)よりもユニット/部品メーカー(75.6%)の方が多い(図3)。機密情報の流出は企業の競争力にも関わってくるので、情報開示についてのルールを事前に策定しておくことが望ましい。

図1 最終製品メーカーやユニット/部品メーカーなど複数の関係者が関わる製品不具合の原因調査は難しくなっているか(単一回答)

「非常に難しくなっている」または「やや難しくなっている」と回答した人が73.8%と多い。逆に「非常に易しくなっている」または「やや易しくなっている」と回答した人は2%に満たない。「Boeing 787」の例からもうかがえるように、複数の関係者が関わる製品不具合は、原因調査が難しくなる傾向がある。

図2 製品不具合の原因調査が難しくなっている理由は何か(図1で「非常に難しくなっている」「やや難しくなっている」と回答した人に聞いた。複数回答)

図1で「非常に難しくなっている」または「やや難しくなっている」と回答した人に、難しくなっていると思う理由を尋ねた。最も票を集めたのは「製品の複雑化」(72.3%)。他に「市場や取引先のグローバル化」(46.3 %)、「コスト削減・効率化要求の高まり」(39.4%)、「製品の電子化」(39.0 %)、「組み込みソフトウエアの増大」(38.5 %)を挙げる人も多かった。

図3 不具合の原因調査を理由に、取引先から機密情報を要求されたか(複数回答)

複数の企業が関わる製品の不具合では、情報の不足や隠蔽などが原因調査の障壁となる一方で、原因調査を理由に本来は取引先に開示しない機密情報の提出を要求される事態が想定される。そこで、実際にそうした経験があるかを尋ねた。
全般的にユニット/部品メーカーの方が最終製品メーカーよりも機密情報を要求されていることが多く、力関係をうかがわせる。もちろん、原因調査を進める上で必要な情報は少なくないだろう。だが、機密情報の流出は企業の競争力にも関わってくるので、契約における原因調査の規定では機密情報の扱いについても事前にルールを策定しておくことが望ましいといえそうだ。

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」「円高が生産や調達に及ぼす影響」「震災の影響と復興への動き」「日本の生産技術」「環太平洋経済連携協定(TPP)の影響」「技術情報の流出」「図面の品質」など、これまでに約80のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、313の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり3月号(3月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「強い工場の条件」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材を基に、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

お問い合わせ先

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社Webサイトの問い合わせフォームにお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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