ニュースリリース

2013年5月29日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
3Dプリンタを「活用したことがある」は47%、
半数に届かず

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2013年5月29日、「3Dプリンタの利用実態」について、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査を実施し、その結果を発表しました。3Dプリンタは、メディアに多く取り上げられたり10万円前後の低価格機種が登場したりしたことで、認知度が一気に高まってきています。そこで、実際に「業務で3Dプリンタを活用したことがあるか」を尋ねたところ、5割弱の回答者が「活用したことがある」と答えました。そして、その最大の活用目的は、「形状確認用の試作品を作るため」でした。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「3Dプリンタの利用実態」について調べるために、エンジニアを主として対象にした調査を2013年4月25日〜5月8日にかけて実施しました。回答者が属する主な業種は産業用機器メーカー、自動車等輸送用機器メーカー、精密・事務用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、総合電機・家電メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「業務で3Dプリンタを活用したことがあるか」を聞いたところ、「活用したことがある」は47.2%と半数に届かず、「活用したことはない」が52.1%と半数を上回った。「活用したことがある」人を詳しく見ると、「自分自身で操作したことはある」(15.6%)は「自分自身で操作したことはない」(31.6%)のほぼ半分だった(図1)。現段階では、3Dプリンタによる立体造形物の作製を社外の業者や社内の別部署に依頼するケースが多いようだ。
  • 図1で「活用したことがある」と回答した人を対象に、「どのような目的で3Dプリンタを活用したか」を尋ねると、「形状確認用の試作品を作るため」(76.2%)と「実験用の試作品を作るため」(54.8%)が共に半数を超えた(図2)。一方、「型を作るため」(20.1%)、「治工具を作るため」(14.6%)、「最終製品を作るため」(10.5%)という回答はまだ少ないものの、将来的にはこの3つの使い方を期待する声は多い。
  • 「3Dプリンタの課題は何か」を聞いてみると、全体では「使える材料の種類が限られていること」(62.1%)がトップだった(図3)。「自分自身で操作したことがある」という経験者は、これに続く課題として、「後工程(サポート部の除去や表面仕上げなど)に手間がかかること」(57.0%)を挙げた。本格的な普及には、こうした使い勝手の面での改良が不可欠といえそうだ。

図1 業務で3Dプリンタを活用したことがあるか(単一回答)

 ここ1年で急激に3Dプリンタへの注目度が高まったが、業務で「活用したことがある」という回答は47.2%と半数に届かず、「活用したことはない」(52.1%)という回答が上回った。技術者にとってモノを作る手段として3Dプリンタを見たとき、まだ十分に普及した状況とはいえないようだ。
 「活用したことがある」という回答では、「自分自身で操作したことはない」(31.6%)が「自分自身で操作したことがある」(15.6%)の約2倍だった。試作品や実験装置を外注するように、社内の別部署や社外の業者に立体造形物の作製を依頼するという使い方が、現時点では多い。

図2 どのような目的で3Dプリンタを活用したか(複数回答)

 図1で「自分自身で操作し、活用したことがある」「自分自身で操作したことはないが、立体造形物を活用したことがある」と回答した人を対象に、その活用目的について聞いた。
 1位は「形状確認用の試作品を作るため」で76.2%、2位は「実験用の試作品を作るため」で54.8%だった。「試作品を成形するための型を作るため」(20.1%)、「製造工程の治工具を作るため」(14.6%)、「最終製品(部品を含む)を作るため」(10.5%)は、現時点では上位2つの活用目的に大きく水を開けられた格好だが、将来的にはこれらの使い方を期待する声は大きい。

図3 3Dプリンタの課題は何か(複数回答)

 3Dプリンタの活用経験を聞いた図1の回答でクロス集計した結果、3Dプリンタの活用や操作の経験の有無で課題と感じる部分がやや異なっている。
 全体での回答よりも未経験者(図1で「活用したことはない」とした回答者)の回答が多いのは、「装置の価格が高いこと」と「3Dデータの準備に手間がかかること」の2つ。活用経験がないからこそ、価格(費用対効果)に対する要求が厳しく、3Dデータ作成に対する不安が大きいといえそうだ。
 逆に、自分が手を動かしたことのある経験者(図1で「自分自身で操作し、活用したことがある」という回答者)となることでようやくクローズアップされる課題が、「後工程(サポート部の除去や表面仕上げなど)に手間がかかること」や「造形途中に失敗する恐れがあること」などだ。これらはまさに、使ってみて初めて分かる課題である。

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。直近では「複数の企業が関わる製品不具合の原因調査」「『強い工場』の条件」「高年齢技術者の活用」などについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、507の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり6月号(6月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「グローバル化と技能伝承」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材を基に、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

お問い合わせ先

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社Webサイトの問い合わせフォームにお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

▲このページのトップヘ

  • お問い合わせ
  • 日経BP社会社案内PDF版
  • 採用情報