ニュースリリース

2013年6月10日

日経BPシステム運用ナレッジ
「企業情報システムの運用管理に関する実態調査2013」の結果発表
〜ITコストの76%が稼働後に、仮想化・クラウドの利用は過半数〜

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2013年6月10日、「企業情報システムの運用管理に関する実態調査2013」の結果を発表しました。本調査は、日経BPシステム運用ナレッジと日経BPコンサルティングが共同で実施したもので、企業情報システムの運用管理に特化した大規模調査です。

 調査方法は、郵送によるアンケート記述方式。全国の上場/未上場企業約3900社にアンケート用紙を送付し、企業情報システムの運用管理に関する実態を質問しました。調査期間は2013年1〜2月であり、627社からの有効回答を得ました。

 本調査では、以下の内容を中心に全50項目の質問を設定しています。
◆全体:IT部門が抱える運用上の課題、取り組んでいるテーマ
◆コスト:売上高比率、今後のコスト見通し、科目別割合
◆体制:人数、外注比率、スキル
◆運用レベル:障害対応、資産管理、ITIL導入率
◆環境:ツール導入率、主要ツールの評価 ほか

 以下では、本調査結果のトピックスを紹介します。

(1)ITコストの76%が稼働後に発生
 2012年度の総ITコスト(期中の場合は予算額で回答)に占める運用管理コスト、保守開発コスト、新規開発コストの比率を尋ねたところ、運用管理コストの割合は平均で44.9%、保守開発コストは30.8%、新規開発コストは24.3%となりました。システム稼働後のコストである運用管理と保守開発のコストを合わせると、その割合は75.7%に達することが分かりました(図1左)。

 それぞれのITコストの割合を売上規模別に見ると、規模が小さいほど運用管理・保守開発コストの負担が大きいことが分かりました。100億円未満の企業の場合、稼働後のITコストの割合は79.3%に上り、中小企業においてコスト削減の取り組みにやや遅れがあり、新規開発に投資できていない状況がうかがえます。

 2013年度のITコスト見通しを聞いたところ、運用管理・保守開発コストを「増える」と回答した企業は2割程度にとどまりました。「変わらない」と答えた企業が運用管理で58.9%、保守開発で62.4%と大半を占めています。これに対して新規開発コストを「増える」と答えた企業は40.7%に上りました(図1右)。

図1●ITコストの割合と今後の見通し

(2)課題の上位は「人」や「体制」の悩み
 IT部門における運用管理上の課題を尋ねたところ、トップは「ノウハウが属人化している」となり、全体の75.8%を占めました。2位は61.4%の「特定のスタッフに業務が偏りがち」、3位は55.0%の「人材育成ができていない」、4位は53.1%の「担当者が多忙で十分な管理ができていない」となりました(図2)。

 5割を超える企業が課題として挙げた項目は、いずれも要員やスキルといった「人」や「体制」に関する悩みでした。コスト削減の圧力が強まる中で、要員を増やすことは難しく、高いレベルの運用品質を限られた人数で実現しなければならない実態が、改めて浮き彫りになった格好です。

図2●IT部門が抱えるシステム運用上の課題

(3)仮想化・クラウドの利用は過半数
 システムの運用管理・保守開発コストを低減し、運用管理業務を効率化できると期待される技術・サービスが、サーバー仮想化とクラウドです。図3左に示したのが、仮想化・クラウドの利用状況で、サーバー仮想化を利用している企業は65.7%、クラウドサービスを利用している企業は55.4%に達しました。既に回答企業の半数以上が、仮想化・クラウドを利用している状況です。

 利用企業に対してその仮想化とクラウドの目的を聞いたところ、最も多かったのは、「コスト削減」でした。仮想化では71.9%、クラウドでは49.0%の企業が利用目的として挙げています。ただし、2位以下の目的には違いがあり、仮想化では「IT資産の集約・統合」(57.9%)が2位、「リソース拡張のしやすさ」(30.5%)が3位でした。これに対して、クラウドは「安定稼働」(45.5%)が2位、「DR(障害復旧)」(36.2%)が3位でした。このことから、コスト削減を一番の目的に仮想化・クラウドを導入しているものの、それ以外には明確な目的の違いがあり、それぞれの技術・サービスを採用していることが分かります。

 運用時の問題点については、サーバー仮想化では「障害発生時の原因や影響範囲の特定」が20.4%と、5社に1社に上りました(図3右)。仮想化という新たな層(レイヤー)をシステムに追加したことによって、障害発生個所が増え、運用業務が複雑になったことを実感した企業が多いようです。

 仮想化については、制約の多さを問題点として挙げる企業も少なくありませんでした。問題点の2位以下は「障害発生時の対策に制約がある」(18.5%)、「運用手順に制約がある」(9.6%)、「機能面で利用部門ニーズに応えられない」と、いずれも制約に関する問題点です。

 一方、クラウドを導入した企業における運用時の問題点のトップは「オンプレミスよりもコストがかかる」でした(21.6%)。この傾向は仮想化では見られない(仮想化の場合は5.2%と低い)もので、導入目的のトップが「コスト削減」だったことを考えると、クラウドを導入・運用したときの実コストが想定よりも多くかかった企業が多いのが分かります。

 背景には、コストを含めたサービス内容をきちんと説明していないサービス事業者と、サービス内容をきちんと理解せずに導入してしまった企業側の存在があるとみられます。事実、問題点の2位も「サービスの継続性が分からない」(21.3%)と、サービス内容の不透明さが招いた問題です。これらの問題は今後、クラウドの成長・発展にも影響を与えかねないだけに、サービス内容の透明性が期待されます。

図3●仮想化・クラウドの利用状況と運用時の問題点

 本調査の詳細は、日経BPシステム運用ナレッジの会員サイトと会員誌(2013年6月号)、および今夏発行予定の調査レポート(約200ページ)で報告します。

■日経BPシステム運用ナレッジについて

 「日経BPシステム運用ナレッジ」は、情報システムの運用管理に携わる部門、担当者の方向けに日経BPイノベーションICT研究所が提供する専門サービスです。Webサイト上で専門家が悩みに答える「お悩み駆け込み寺」や、ドキュメントのテンプレートをダウンロードできる「テンプレート集」、年間60本以上の運用に関する事例を集めた「ケーススタディー」、第一線の講師陣による実践研修やオンライン研修、調査レポートなど、さまざまなメニューから成るサービスパックです。

■お問い合わせ先

 この調査に関するお問い合わせは、日経BP社Webサイトの問い合わせフォームにお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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