ニュースリリース

2013年6月26日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
約8割が、海外拠点よりも
国内拠点のノウハウの方が充実

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2013年6月26日、「グローバル化とノウハウの共有」について、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査を実施し、その結果を発表しました。製造業の海外シフトが進む中、国内拠点と海外拠点で同等のQCD(品質/コスト/納期)を確保するためには一般に、国内で蓄積した仕事の進め方や作業のノウハウなどを海外に移植する必要があると考えられています。しかし実態としては依然、両拠点で大きな差があることが分かりました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「グローバル化とノウハウの共有」について調べるために、エンジニアを主として対象にした調査を2013年5月30日〜6月5日にかけて実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、産業用機器メーカー、総合電機・家電メーカー、機械部品・電子部品メーカー、一般機械メーカー、その他の製造業などです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「国内拠点と海外拠点で蓄積しているノウハウに差があるか」を聞いたところ、「国内拠点の方が充実している」が78.1%と圧倒的に多く、「海外拠点の方が充実している」は5.0%にすぎなかった(図1)。これを職種別にみると、製造部門では「海外拠点の方が充実している」が8.0%と、他部門に比べてやや多い結果となった。製造部門は他部門よりも早く海外進出を果たしたために、海外拠点でのノウハウの蓄積も進んでいると考えられる。
  • 「国内拠点のノウハウを海外拠点に共有・展開する必要があるか」を尋ねると、やはり「必要がある」が77.6%と8割近くを占めた(図2)。その一方で、「必要ない」は製造で8.0%、製品開発ではその2倍以上の17.4%と、職種によって大きな開きがあった。「何を造るか」よりも「どう造るか」のところの方が、ノウハウの共有化を求める声は大きい。
  • 「国内拠点と海外拠点のノウハウの差が、グローバルでの事業全体の競争力におよぼす影響」を聞いてみると、全体では41.8%が「競争力を低下させている」と答えている(図3)。ただし、「競争力を高めている」という回答も案外多い。全体では18.9%だが、特に製造は28.0%と高い。図2の結果を併せて考えると、日本から移植したノウハウに加えて、例えば現地の作業者に合ったノウハウなどを蓄積していくことが競争力強化につながると考えられる。

図1 国内拠点と海外拠点とで蓄積しているノウハウに差があるか(単一回答)

 全体でみると78.1%が「国内拠点の方が充実している」と回答しており、依然として国内外で圧倒的な差があることが分かる。一方、「海外拠点の方が充実している」との回答は5.0%にすぎない。ただし、職種別にみると製品開発では「海外拠点の方が充実している」との回答が3.3%なのに対し、製造では8.0%とやや多い。製品開発に比べて工場の海外進出が早くから進んでいたためと考えられる。

図2 国内拠点のノウハウを海外拠点に共有・展開する必要があるか(単一回答)

 全体では8割近く(77.6%)が「必要がある」と回答しており、その必要性についてはほとんどの回答者が認めている。一方で、「必要ない」が製品開発で17.4%と、製造の8.0%に比べてかなり多い。図1を見ると、製品開発においては製造以上にノウハウに差がある企業が多いことをうかがえるが、一方でノウハウを共有することの必要性を感じている層がやや少ないといえそうだ。

図3 国内拠点と海外拠点のノウハウの差が、グローバルでの事業全体の競争力におよぼす影響(単一回答)

 全体では41.8%が「競争力を低下させている」と回答しており、図2の結果も鑑みると、競争力強化のために国内外のノウハウの差を是正すべきと考える向きは多い。ただし、図2の結果と比較して41.8%という数字は小さい。ノウハウの差が逆に「競争力を高めている」との回答も18.9%と2割近く、製造に限ると28.0%に上る。早くから海外進出した工場が、独自に蓄積したノウハウを武器にしているのが理由の1つだろう。ノウハウを展開して海外拠点で国内拠点と同等のQCDを実現することが、もはやグローバルでの競争力向上に直結しなくなってきた可能性も考えられる。

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。直近では「『強い工場』の条件」「高年齢技術者の活用」「3Dプリンタの利用実態」などについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施し、201の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり7月号(7月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「新材料への期待」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材を基に、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

お問い合わせ先

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社Webサイトの問い合わせフォームにお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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