ニュースリリース

2013年8月28日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
イノベーション力が
他社より「優れている」は3割弱

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2013年8月28日、「イノベーションへの取り組み」について、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査を実施し、その結果を発表しました。モノが溢れる現代社会における製品やサービスの開発では、新しいものを生み出すためのイノベーションが欠かせません。ところが、他社と比較してイノベーション力に「優れている」とする回答者はわずか3割弱にすぎないことが明らかになりました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「イノベーションへの取り組み」について調べるために、エンジニアを主として対象にした調査を2013年8月1日〜7日にかけて実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、産業用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、総合電機・家電メーカー、精密・事務用機器メーカー、一般機械メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「イノベーションについて自分の考えに近いものはどれか」を聞いたところ、「顧客に新たな価値を提供する製品(サービス)を生み出すこと」が64.8%を占めた(図1)。「新技術を用いた製品(サービス)を生み出すこと」や「既存製品(サービス)と異なる機能・性能を持つ製品(サービス)を生み出すこと」は共に、1割台前半にすぎなかった。
  • 「他社と比較してイノベーション力に優れていると思うか」を聞いてみると、「劣っている」「やや劣っている」を合わせた「劣っている」が58.4%と約6割に達する一方で、「優れている」「やや優れている」を合計した「優れている」は28.6%と3割弱だった(図2)。イノベーションが求められているにもかかわらず、多くの企業でイノベーション力が養われていない。
  • 図2で「優れている」「やや優れている」とした回答者を対象に、「勤務先で採用しているイノベーションのための手法は何か」を尋ねると、「ブレインストーミング」(57.9%)がダントツで、「なぜなぜ」(36.8%)が続いた(図3)。これらは特に目新しいものではないが、イノベーションを生み出すための手法としては一定の効果があることがうかがえる。

図1 イノベーションについて自分の考えに近いものはどれか(単一回答)

調査ではまず、「製品やサービスの開発にイノベーションが求められていると思うか」を聞いたところ、94.6%が「思う」と回答した。しかし、「イノベーション」の解釈は人それぞれ。そこでイノベーションの定義を聞いてみた。すると、「顧客に新たな価値を提供する製品(サービス)を生み出すこと」(64.8%)が圧倒的多数だった。一般にイノベーションと聞けば「技術の革新」を思い浮かべがちだ。しかし、多くの技術者が、新技術を用いることや製品(サービス)の機能・性能を上げることに必ずしもこだわっていないことが分かった。

図2 他社と比較してイノベーション力に優れていると思うか(単一回答)

イノベーションが製品やサービスの創出に欠かせない今、企業のイノベーション力はどのような状態にあるのか。残念ながら、全体の58.4%が他社と比較して「劣っている」または「やや劣っている」と答えた。「優れている」「やや優れている」の合計が28.6%だから、その差は歴然だ。
本調査では4年前にも同じ質問を投げかけている。当時の回答では、「優れている」「やや優れている」の回答が全体の40.5%と、今回よりも10ポイント以上高かった。回答者の属性が異なるため厳密な比較はできないが、当時に比べてイノベーションに向けた競争が一段と激化しているか、あるいは企業の競争力が相対的に落ちているのかもしれない。

図3 勤務先で採用しているイノベーションのための手法は何か(複数回答)

主に設計開発部門で採用されているイノベーションのための手法を20列挙して聞き、その結果から、図2の「他社と比較してイノベーション力に優れていると思うか」で「優れている」「やや優れている」と回答した人の結果のみを抽出した。イノベーション力に優れる企業が、具体的にどのような手法を実践しているかを知るためだ。その上位13手法を掲載した。
すると、「ブレインストーミング」が57.9%でダントツ。続いて「なぜなぜ」(36.8%)が、3位の「品質機能展開(QFD)」(26.3%)に10ポイント以上の差を付けて2位に入った。ブレインストーミングやなぜなぜと言えば、設計開発の職場に限らず、あらゆる職場で実践されている「当たり前の手法」ともいえる。ごく当たり前の手法を実践すれば、一定の効果が望めることがうかがえる。

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。直近では「3Dプリンタの利用実態」「グローバル化とノウハウの共有」「新材料への期待」などについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施し、332の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり9月号(9月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「ビッグデータ活用の実態」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材を基に、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

お問い合わせ先

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社Webサイトの問い合わせフォームにお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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