ニュースリリース

2013年11月27日

日経ものづくり調査「数字で見る現場」
生産ラインの刷新/新規導入が加速
自動化とコンパクト化で競争力アップ

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2013年11月27日、「生産技術の進化」について、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に実施した調査の結果を発表しました。2008年秋のリーマン・ショックを境に、製造業を取り巻く環境は大きく変化しました。そうした中、リーマン・ショック後の5年間に生産ラインを刷新あるいは新規導入したという回答者が6割を超え、グローバル市場を視野に競争力を強化する動きが加速している実態が浮かび上がりました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「生産技術の進化」について調べるために、エンジニアを主として対象にした調査を2013年10月31日〜11月6日にかけて実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、産業用機器メーカー、総合電機・家電メーカー、精密・事務用機器メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「この5年で、所属する会社は生産ラインを刷新/新規導入したか」を聞いたところ、「はい」が60.4%を占めた(図1)。2008年秋のリーマン・ショック後は、自動車や電機といった輸出産業を中心に日本経済も大きく冷え込んだ。しかし5年の月日が流れる中で、製造業は生産設備への投資を再び加速し始めている。
  • 図1で「はい」とした回答者を対象に「生産ラインを刷新/新規導入した狙いは何か」を尋ねると、上位3つは、「増産に対応するため」(45.3%)、「顧客のニーズに応えるため」(36.0%)、「現地生産に対応するため」(28.8%)だった(図2)。「従来にない製品を造るため」(23.0%)よりも、まずは足元の需要増加に対応していると考えられる。
  • 図1で「はい」とした回答者を対象に「刷新/新規導入した生産ラインはどのようなタイプか」を聞くと、「設備や機械、ロボットなどを導入して自動化率を高めた生産ライン」(35.3%)と「工程の削減や集約、短縮を進めてライン長や面積の縮減率を高めた『コンパクトライン』」(32.4%)の2つの回答が多かった(図3)。日本が得意とする最先端の生産技術で競争力を高めている様子が明らかになった。

図1 この5年で、所属する会社は生産ラインを刷新/新規導入したか(単一回答)

2008年のリーマン・ショックを境に日本メーカーを取り巻く経営環境が大きく変わったという認識を基に、ここ5年という期間を区切りとした。その上で、日本はもちろん、海外を含めた世界における生産ラインの刷新/新規導入の状況を聞いた。その結果、「はい」との回答が60.4%と過半数を超えた。日本メーカーの多くが生産ラインへの開発・投資に積極的になっていることが分かる。

図2 生産ラインを刷新/新規導入した狙いは何か(複数回答)

図1で「はい」と回答した人に聞いた。最も多い回答は「増産に対応するため」で、45.3%と他の回答と比べて目立って多かった。これに、「顧客のニーズに応えるため」という回答が36.0%、「現地生産に対応するため」との回答が28.8%で続く。逆に、「新規事業に対応するため」(15.8%)と「先進国のメーカーに勝つため」(13.7%)という回答は少なかった。

図3 刷新/新規導入した生産ラインはどのようなタイプか(複数回答)

図1で「はい」を選んだ回答者に聞いた。キーワードは、[1]自動化[2]コンパクトライン[3]多品種少量、の3つ。というのは、回答が多い順に「設備や機械、ロボットなどを導入して自動化率を高めた生産ライン」(35.3%)、「工程の削減や集約、短縮を進めてライン長や面積の縮減率を高めた『コンパクトライン』」(32.4%)、「多くの種類の製品と生産量の変動に対応できる多品種少量/変種変量ライン」(22.3%)となったからだ。一方で、受注生産ライン、環境負荷軽減型(エコ)工場、セル生産という回答は少なかった。受注生産のためには、しばしばビジネスモデルをも変える必要に迫られることもあって敷居が高いのかもしれない。セル生産については既に十分浸透しており、刷新/新規導入した生産ラインを特徴付けるものではないと考えられる。だが、エコ工場が少ない点は意外に感じる。

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。直近では「イノベーションへの取り組み」「製造業版ビッグデータ」「戦略的購買・調達活動の実態」などについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施し、230の回答を得ました。調査結果の詳細は、『日経ものづくり』12月号(12月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「メーカー経営の課題」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材を基に、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。併せて、工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もお届けします。

お問い合わせ先

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社Webサイトの問い合わせフォームにお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。

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