ニュースリリース

2014年5月20日

「ぶつからないクルマ実車試験」結果を発表
富士重工業とVolvo社が最高評価を獲得
歩行者の認識・衝突回避機能を業界で初めて評価・公開

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)の自動車専門誌『日経Automotive Technology』は、自動車メーカー9社の自動ブレーキ搭載車を集めて、車両および人の認識・衝突回避性能を評価する「ぶつからないクルマ実車試験」の結果を発表しました。同試験の最大の特徴は、対車両だけでなく、対歩行者の衝突回避性能を評価し、どのシステムが最も高い速度から対象物を認識して衝突を回避できるかを明らかにした点です。特に、歩行者への衝突回避機能を評価・公開したのは業界初の試みです。結果の詳細は2014年5月21日発行の日経Automotive Technology 7月号に掲載しています。

 調査対象は、自動ブレーキ機能を搭載している車両のうち、代表的なセンサーを搭載し、自動ブレーキ機能を比較的安価に装着できる9車種を選びました。各社の評価をまとめたものが下の表です。富士重工業の自動ブレーキ機能「EyeSight(ver.2)」が最高得点を記録し、Volvo社の「City Safety/Human Safety」とともに最高評価の“AAA(トリプルエー、総合点で5点以上)”を獲得しました。最高点は富士重工業の7点(総合点)で、対車両は約50km/hから衝突を回避し、対歩行者は約40km/hから衝突を回避しました。Volvo社の「V40」は5点(総合点)で、対車両は約40km/hから、対歩行者は約30km/hから衝突を回避しました。

評価と獲得した点数

評価 社名 自動ブレーキ名 試験車 対車両 対歩行者 総合点
AAA 富士重工業 EyeSight ver.2 XV 4点 3点 7点
Volvo City Safety/Human Safety V40 3点 2点 5点
AA 日産自動車 エマージェンシーブレーキ エクストレイル 2点 1点 3点
BMW Driving Assist M5 2点 1点 3点
A トヨタ自動車 プリクラッシュセーフティシステム
(ミリ波レーダー方式)
クラウンアスリート 2点 - 2点
スズキ レーダーブレーキサポート ワゴンR 1点 - 1点
ダイハツ工業 スマートアシスト タント 1点 - 1点
ホンダ シティブレーキアクティブシステム フィットハイブリッド 1点 - 1点
Volkswagen City Emergency Brake/
Front Assist Plus
ゴルフヴァリアント 1点 - 1点

評価の高い車はカメラを装着

 富士重工業のシステムは、車両と歩行者の認識にステレオカメラ、Volvo社のシステムはミリ波レーダーと単眼カメラ、赤外線レーザーを使っています。次に高い評価となる“AA(ダブルエー、総合点で3〜4点)”を獲得した日産自動車とBMW社は、ともに単眼カメラを採用しており、カメラを使ったシステムが上位に並びました。ミリ波レーダーや赤外線レーザーが歩行者を認識することが難しいのに対し、カメラは歩行者を認識しやすく、対歩行者の衝突回避機能を高められたためです。

 “A(総合点で2点以下)”評価では、トヨタ自動車とVolkswagen社がミリ波レーダーを使い、スズキ、ダイハツ工業、ホンダが赤外線レーザーを使っています。トヨタのシステムは30km/hの速度で車両を認識して衝突を回避しましたが、それ以外のメーカーのシステムは20km/h以下で車両を認識・停止したにとどまりいずれも1点となりました。

■試験の方法

 本試験では、低中速域(50km/h以下)で走行している車両が、停止している車両や歩行者のターゲットを認識して、自動的にブレーキをかけて衝突を回避できる最大の速度を測定しました。試験車両が車両のターゲットに向かう場合と、歩行者のターゲットに向かう場合の2種類を実施しました。速度は原則として約20km/h、約30km/h、約40km/h、約50km/hの4段階とし、各速度において衝突を回避できた場合に1点を加点しました。対車両と対歩行者で得た点数の合計を求め、5点以上を“AAA(トリプルエー)”、3〜4点を“AA(ダブルエー)”、2点以下を“A”と、3段階で評価しています。

試験期間 2014年3月26日〜28日
試験方法 車両を模擬したターゲット(布に車両の写真を印刷したものに赤外線レーザーを反射する反射板やミリ波レーダーの電波を反射するアルミ箔を取り付けたもの)、歩行者を模擬したターゲット(服の中にスポンジを詰めてアルミ箔を取り付けたもの)に一定速で向かい、自動ブレーキの最大衝突回避速度を測定
計測機器 Oxford Technical Solutions社製「RT3000シリーズ」(位置・車速・加速度計)
試験場所 埼玉自動車大学校テストコース
協力 東京工業大学放射線総合センター実吉敬二准教授、ダイナテック(http://www.dynatech-jp.com/)、埼玉自動車大学校

※今回実施した試験は、あくまでも本誌が指定した条件で、車両および歩行者を模擬したターゲットへの自動ブレーキの認識・衝突回避性能を調べたものです。各自動ブレーキの日常利用での衝突回避を保証するものではありません。自動ブレーキを備えていても、車両の速度、対象物、天候状況、道路状況などの条件によっては、衝突を回避または、被害を軽減できない場合があります。また、ハンドル操作やアクセル操作による回避行動を行っているときは、作動しない場合があります。このため、日常の車両停止のために同機能を使うこと、試験と同様の作動テストを実施することは危険ですのでおやめ下さい。そうした行為により、事故が起きた場合は当事者の責任とし、弊社は責任を負わないものとします。

【日経Automotive Technologyについて】

 「日経Automotive Technology」は自動車の最新技術と将来動向を取り上げる専門誌です。平日、毎日更新するサイト(http://techon.nikkeibp.co.jp/at/)、隔月刊誌、セミナーという3つの形態で情報を提供しています。話題車を分解してその構造を詳しく解説する「分解レポート」、完成車メーカー各社の技術・市場戦略、電動化・電子化の最新技術など、自動車産業の変化を捉えた先進情報をお届けしています。

【本リリースのお問い合わせ先】

 このリリースに関するお問い合わせは、日経Automotive Technology(電話03-6811-8851)に、取材のお申し込みは、日経BP社コーポレート管理室・広報(電話03-6811-8556)にお願いいたします。

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